社会観察雑記帳 -市民感覚の何かおかしい-85 通算投稿131回目 2024年初その1 能登半島地震対応不合格 2024年1月19日

社会観察雑記帳 ー市民感覚の何かおかしいー85

                  2024年初その1 能登半島地震対応 不合格

                                                                                                                   2024年1月19日

 2024年元日夕刻、最大震度7能登半島地震が起き、石川県能登地方が最も被害が大きい状況だが、石川県全県、近接の富山県福井県新潟県等にも甚大な被害をもたらした震災となった。

 
 発生が夕刻で夕闇がすぐ訪れたこともあり、建物倒壊、津波被害、志賀原発被害など詳細は翌2日早朝から徐々に判明してきたが、政府の災害対策施策の初動は、後手後手と評価されても仕方のないものであった。

 

 第1に、3~4000年に一度の隆起・陥没の激しい地震輪島市珠洲市につながる道路の寸断、孤立集落が多数発生し、道路復旧が最優先で求められたにも関わらず、自衛隊、消防、警察といった公的機関の支援の初期投入が逐次投入、かつ、少数であったことが、被災者、孤立集落にとって最初の数日間の苦難につながったこと。
熊本地震では自衛隊は発災2日目から1万4,000名投入、今回は2日目で2,000名
*岸田首相の言い草が、熊本では地元に師団があったからという不合理なもの

 

 第2に、現場からの道路渋滞の懸念からの現地視察差し止め要請が過度に伝達され、必要なボランティア投入含め、救援や復旧支援要員が公用・民間ともに少なかった状況が続いたこと。

 

 第3に、台湾、米軍はじめ救援・支援の対外組織からの申し入れに対し、断ったことから救援・支援の資源(人、機材等)投入が遅れたこと。

 

 第4に、志賀原発の被害情報の公表が二転三転し、政府発表の信憑性がゆらいだこと。発生直後の現地入り禁止の伝達は、原発の不具合を隠蔽する意図があったのではないかといった推測を生んだこともあり、正しい迅速な情報発表が極めて重要であろう。

 

 原発に関しては、一部とはいえ電源喪失が起き、油漏れ、モニタリングポスト一部喪失などといった重大な事態が発生したにもかかわらず、情報訂正が相次ぎ、また、想定以上のガルだったことも判明した。
 にも関わらず、原子力規制委員会志賀原発再稼働の基準変更は考えていないとの態度で、東日本大震災の教訓をふまえた見解とは思えず、全く理解できない。

 

 今回の震災は、道路の復旧のための支援資源(自衛隊、重機運搬等)の投入遅れ、陸路、海路(隆起による漁港使用不可)がだめなら空路による救援・支援資源の投入遅れが指摘でき、政府対策本部は、官邸は大いに反省すべきである。
自衛隊第一空挺団は、千葉県習志野で1月7日に米軍と合同訓練を行ったとの報道があったが、震災救援・支援対応が優先ではないのか。

社会観察雑記帳 -市民感覚の何かおかしい84- 自民党政治を止めなければ日本の浮上はない 通算投稿130回目

市民感覚の何かおかしい84-               通算投稿130回目

                       自民党政治を止めなければ日本の浮上はない
                              

                              2023年12月25日記

 2023年の年末、自民党派閥のパーティー券販売を利用した政治資金規正法、横領、脱税嫌疑で安倍派、二階派中心に大揺れである。


 2023年も、自公政権とりわけ自民党の数の力の横暴が目立った年であった。
「防衛費43兆円ありきの軍拡」「陳腐な少子化対策項目と財源不備」「マイナ保険証推進で24年10月で現行保険証廃止」「辺野古基地埋立の国による強制代執行容認」「万博強行姿勢の無理筋」などなど、国民目線をすっかりはずした愚策を強行した。


 また、安倍派出身、税金滞納、選挙買収嫌疑、パパ活嫌疑で大臣、副大臣政務官の実質更迭も相次ぎ、岸田政権の支持率もダダ下がり(毎日新聞は12月17日で17%)の様相で、社会はしらけムードが蔓延している。


 経済も円安・物価高、実質賃金マイナス継続と明るい材料がなかった一年であった。

 

 安倍一強が8年、菅・岸田と同路線の政権を加えると11年間腐敗政治が続いたため、日本がこれほど劣化していることに、国民はようやく気付きつつある。
 しかし、その処方箋が政界はもちろん、経済界、研究者からも確たるものが世の中に出てこない。本当に危機的状況である。

 

 来る2024年には、とにかく自民党政権は終わりにして、不十分でも非自民政権でこの11年間の膿を出すことをしなければ、日本は確実に沈没する。

1.43兆円軍備費の下方修正(武器調達予算の大胆なカット)
2.万博の中止(損切の実行)
3.現行保険証とマイナ保険証の並立期間設定と一本化目標時期の明示
4.少子化対策のごまかしをやめ、対象者ニーズに沿った政策立案
5.国による教育無償化、国立大学法人法改正の見直し(元に戻して審議やり直し)
6.日米地位協定改定への着手、普天間基地返還の米国との協議(辺野古含め)
7.ガソリン税トリガー条項発動
8.物価高対策としての消費税減税(8%→0、ぜいたく品以外10%→〇%など)
9.食料安全保障推進法(仮称)の制定と政策の実行

 

 思いついたままに記したが、こうした対症療法だけではなく、政治が日本という国を将来どのような国にしていくのかのたたき台を示し、国民的議論を向う3年間程度のなかで行うことが求められていよう。
 私の考えは、次の機会に記してみたい。
以上

社会観察雑記帳 -この本この一節(プラス一節計二節)⑯-  通算投稿129回目 「安倍晋三の正体」適菜収著 祥伝社新書

                             「安倍晋三の正体」適菜収著                      祥伝社新書

                                                                                                                2023年10月26日記

 

 10月に入ってユーチューブ(番組名忘却)でこの本の存在を知った。
 歴代最長の政権を維持した人物が、如何に無能・無知・無恥で日本を壊したかを、事実を列挙して検証していると絶賛していたので購入し通読してみたが、記憶がよみがえってきた事実が如何に嘘とデマで塗り固められ、そのことにより日本の国家や社会が破壊されてきたかが記述されていた。(バカの多用で少々品はない表現もあるが…)

 

 改めて、このような無能・無知・無恥な人物が何故総理大臣になり歴代最長政権を担うことができたのか、そして、それを許した私たち国民のなんと罪深いことかを痛感した次第である。
*安倍後の菅・岸田と続く現在も罪深さは継続している

 

 全体で新書版165ページとすぐ通読できる分量なので、是非一読し、改めて安倍政権時代から続く自公政権の愚かさ、国家破壊の恐ろしさ、現在も同じ過ちが繰り返されていることの焦燥感を共有していただきたい。
 
 安倍元総理は凶弾に斃れた最期を迎え、そのこと自体は許されることではない。
 この一節プラス一節は、第1章の26ページ記述の死者に鞭打たない論の不合理さと第10章の150ページ記述の憲法改正の必要性に言及した部分を掲げるが、全体を通して、今後に生かすべき検証、事実が満載なので、文末に本書の構成順に私が感じる特記事項も列挙している。

 

この一節
第1章    安倍晋三とは何だったのか? の26ページ
 「死んだら仏。死者を批評しないのは日本人の美徳」とか言いだすバカもいたが、それは美徳ではなく悪徳である。国家存続の根幹に関わる問題を「死んだら終了」にしていいわけがない。まともな検証もせずに、ワイドショーの話題のようにニュースを消費するだけでは何度も同じところで間違える。

 

この一節プラス一節
第10章 憲法破壊 の150ページ
 2016年2月3日、国会で憲法改正の必要性に言及
 「占領時代に作られ、時代にそぐわないもの」「私たちの手で変えていくべきだとの考えのもとで、自民党憲法改正草案を発表した」
 憲法は「今の時代に合わせる」ようなものではない。
 憲法は、安倍のようなおかしな人間が出現した時、国や社会を守るためにあるのだ。

 

本所構成順に私が考える特記事項

第1章    安倍晋三とは何だったのか?
 国家の崩壊を示す三つのメルクマール
 その1 2015年安保法制の際国を運営する手続きを破壊したこと
      集団的自衛権閣議決定し、「憲法解釈の基本的論理はまったく変わっていない」などとデマを流し、内閣法制局長官の首をすげかえ、アメリカで勝手に約束し、国会で強行採決した
  その2 省庁をまたがる大規模な不正が発覚し責任が有耶無耶になっていること
     森友事件の財務省公文書改ざん
     南スーダンPKOにおける防衛省日報隠蔽
     裁量労働制における厚労省データ捏造
     入管法改正に関する法務省データごまかし
     国交省の基幹統計書き換え
  その3 2017年2月8日稲田朋美防衛相が「南スーダンで事実行為としての戦闘行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから(日報で)武力衝突という言葉を使っていると発言したこと
     *現役閣僚が来ぬが憲法を無視していることを公言した

第2章    「外交の安倍」の実体
 ロシアの犬  プーチンに手玉にとられる
 アメリカの犬 トランプのいいなり
 中東に対する無知

第3章    デタラメな経済政策

第4章    幼稚な政治観
 究極の無責任男 「私の責任」と繰り返したが、生涯一度も責任をとることはなかった。
 閣僚の辞任 「任命責任は私にある」
 2006年9月 第1次安倍政権発足
  2006年12月 規制改革担当相 佐田玄一郎 虚偽政治資金収支報告書
  2007年3月  農水相 松岡利勝 議員会館水道光熱費計上
     6月  防衛相 久間章生 原爆投下しようがない発言
     7月  農水相 赤木徳彦 実家に9千万円計上
     9月  農水相 遠藤武彦 補助金不正受給
     同月 政権放り出す

 2012年12月 第2次安倍政権発足
  2014年10月  法相  松島みどり 公選法違反疑い
     10月  経産相 小渕優子  政治資金規正法違反疑い
  2015年2月   農水相 西川公也  政治献金問題
  2016年1月   内閣府特命相 甘利明 金銭授受疑惑
  2017年4月   復興担当相 今村雅弘 東北で良かった発言
     7月    防衛相  稲田朋美  南スーダン日報隠蔽
  2019年4月   五輪相  桜田義孝 東日本大震災被災者傷つけ発言
     10月  法相  河井克行  公選法違反疑い

第5章    嘘・デマの数々
 本書に多々事実列挙

第6章    バカ発言
 本書に多々事実列挙

第7章    安倍晋三関連事件
 広島大規模買収事件
 森友学園事件
 布マスク事件

第8章    カルト・統一教会・反社・維新
 橋本徹との関係・評価

第9章    歴史修正主義
 ポツダム宣言と原爆投下の時系列無知
 皇室への敬意疑問

第10章    憲法破壊
 2014年2月3日国会で発言「憲法というのは、日本という国の形、そして理想と未来を語る者と思う」
*    いつの時代だろうが、憲法は権力を縛るためのもの
*    憲法学において広義の意味「固有の意味の憲法」、狭義の意味「立憲的意味の憲法」は区別される
*    広義の憲法の視点では憲法は国家権力を縛る機能だけではなく、国家の秩序の根本規範つまり国の形(国柄)を表現する規範と捉えられているが、それは伝統による正当性を持った規範であり「理想と未来を語るもの」ではない

 

社会観察雑記帳 -市民感覚の何かおかしい83- 通算投稿128回目 齢70歳となった現在、政治の蛮行・愚行あれこれに非常に憤っています

齢70歳となった現在、政治の蛮行・愚行あれこれに非常に憤っています

                                                                                                                2023年10月14日記

 

 地球沸騰化の時代に入り、気候変動により気候システムが激変する臨界点(後戻りが不可逆)はあとちょっとのところに至っているなか古希を迎えました。

 このような危機的状況に置かれているなか、日本での政治の蛮行・愚行を行っている場合ではないと憂う事柄をいくつか挙げる。

 

1.    日本国内での政治の蛮行・愚行
(1)    沖縄辺野古基地建設再開のための政府の代執行申請

ア.    軟弱地盤対応での計画変更を県が不承認したことに対し国の機関である防衛施設庁行政不服審査法に基づき不服申請を国交省すること自体異常なのに、国交省も司法(最高裁まで)も防衛施設庁の訴えを認めるのは不条理としか言いようがない。(最高裁は手続き論で上告を退け、国・県の判断への司法としての判断を忌避した)

イ.    辺野古基地完成が普天間返還の唯一の道と嘘を言い続ける政府に憤る。既に国会論戦で明らかなとおり、米軍は普天間基地返還をするつもりはない。

ウ.    軟弱地盤で総工費が政府試算で1兆円弱、県試算で2兆円とべらぼうな額となっていること、そもそも90m海底までの杭打ち技術がないなかでの見切り発車工事の不条理を政府は説明しない。

 

(2)    物価高騰(エネルギー、食料品等)による生活苦世帯増加への無策

ア.    他国では行っている消費税減税を頑なに拒む愚行。揮発油税暫定税率撤廃は検討外。賃金も連続マイナスデータなのに無為無策

 

(3)    マイナ保険証強行にともなう倒錯したコストアップ、サービス低下事態招聘

ア.    立憲民主党の政府ヒアリングで、2022年10月の突然の2024年秋保険証廃止発表は、厚労省審議会での議論などなしに、河野太郎の独断(あるいは河野・加藤両大臣の独断)で決め、関係閣僚会合で事後承諾を得た、およそ民主的な手続きをとっていないことが判明。

イ.    そのおかげで、資格確認証や暗証番号なしのマイナ保険証など、現行健康保険制度存続(マイナ保険証制度と併存)では発生しない無用なコストと手間が発生。

ウ.    また、電子カルテシステムが普及しないとマイナ保険証使用のメリットも具現化しないことも明らかとなり、政府の説明の嘘も露呈。

 

(4)    43兆円防衛費予算執行優先の愚行

ア.    アメリカからのトマホークは2025年度から購入配備の計画を2024年度からに前倒しにし、かつ、2024年度購入分は旧式との報道。信じられないほどあり得ない判断。誰が判断したのか。アメリカの言いなりもここに極まれり。亡国の判断者は即刻辞任すべき。

イ.    防衛費は5年間43兆円の予算総額を先に決め、本来国の存亡に必要な少子化対策、高齢化・過疎化対策、食料安全保障、エネルギー安全保障は後回しの政策判断は間違っている。

ウ.    喫緊の少子化対策は未だ財源も示されず、政策体系も小手先の感が否めず、30年50年先を見据えた大局観を持ったうえでの政策立案すべきところ、その気概すら感じられない。

 

(5)    エネルギー供給確保政策の倒錯
*通算127回で記載

 

(6)    関西・大阪万博開催に向けた悪あがきと大阪IR推進の無謀さ

ア.    そもそも、松井・橋本と安倍・菅で決めた万博誘致で、夢洲松井一郎の肝いりで会場になった案件。ごみ集積場、軟弱地盤、アクセス不便、インフラ(上下水道等)不備の夢洲にこだわった責任を維新の会はとるべき。

イ.    夢洲のIRカジノも同様で、MGM(大阪IR)との基本協定で地盤強化は大阪市が実施、進出判断はMGM側が保持と異常な片務協定を大阪市民はどう思っているのか。

ウ.    現時点にいたると、万博は、一日でも早く撤退表明することが経済的にも、国際信用でも傷が少ないことは自明のこと。当然維新の会(吉村・横山・馬場等)は責任をとって退場せざるを得ないであろうが、自身の保身のために悪あがきをあくまで行い、日本国民に多大な損失を負わせることがどれだけ罪深いことか。

エ.    万博中止なら、岸田総理はじめ政府の大臣、経産省幹部も当然責任は負ってもらうことになる。

 

(7)    アベノミクス金融緩和政策失敗の後始末、日本再生をどうすすめるか

ア.抜き差しならない円安、世界との金利差という金融状況をどう適正化させるか。痛みを伴う対策をするなら、早く的確にアナウンスし、固い決意で行うべし。

 

 それにしても、岸田文雄という政治家が、総理としての器にこれほど達していない政治家だったことは、日本の不幸であった。安倍、菅と「今だけ、金だけ、自分だけ」を腹にもった総理としか思えなかった二人に代わって、政権を担って2年、事態はさらに悪い方向に加速している。

 

 岸田降ろしが起きない今の自民党の体たらく・劣化も激しく、まさに暗澹たる気持ちの国民は多いのではないか。
 岸田の次の適任者がいるのかどうかわからないが、まず、岸田総理には早々に退いてもらい、内閣を一新してほしい。(できれば政権交代だが、自民政権でも30年50年先までの将来ビジョンが語れるリーダーが総理になってほしい)

 

 最後に、政治マターではないが、メディアの劣化が止まらないことにも言及したい。

 

〇 ジャニーズ事務所の記者会見の稚拙さが話題となっているが、そもそも不祥事会見で、2時間限定、1社1問などというルールを唯諾々了解する記者会見がメディアの劣化を体現している。

〇 安倍総理会見からか、1人1問(更問なし)、時間制限ありを記者クラブが了解し、それを以降の総理会見では踏襲していることを、不祥事を起こした民間企業主催の会見にまで取り入れられて、それに則って「ルールを守る大人を見せたい」などという不祥事企業側のありえない発言を許し、拍手まで起きるという光景は、およそ民主主義国家とは言えない。

〇 木原前官房副長官の立場を利用した警察への圧力疑惑、日本維新の会馬場代表の堺市社会福祉法人理事長就任経過の不自然さ、大阪府の高校無償化済の嘘ごまかしなど、権力の不正等を追求するメディアの機能は何処に行ってしまったのか。

〇 タモリが年初に言った「新しい戦前」がまさに進行中を実感する。心あるジャーナリストよ、奮起せよ。

社会観察雑記帳 -市民感覚の何かおかしい82- 通算投稿127回目 地球沸騰化に直面している時、プーチンよ戦争を、岸田文雄よ原子力発電回帰を行っている場合か

地球沸騰化に直面している時、プーチンよ戦争を、岸田文雄原子力発電回帰を行っている場合か

                                                                                                               2023年10月13日記

 2023年7月27日国連グレーテス事務総長は、「地球沸騰化の時代に入った」とコメントしたが、多くの科学者・研究者はこの事態を予測し警鐘を鳴らしていたにも関わらず、世界規模での危機感共有、対策実施なしに時間だけ推移している。


 産業革命以降平均気温が1.1℃上昇している現段階で、気候変動により気候システムが激変する臨界点(後戻りが不可逆)はあとちょっとのところに至っているし、臨界点を迎えるタイミングが早まるとしている論説が一般的となっている。


 パリ協定の1.5℃上昇に抑える目標を達成しても、次の6つの事象の臨界点を超えてしまう可能性があるとの研究報告もある。

 

 北極圏の永久凍土融解
 グリーンランドの氷床融解
 ラブラドール海の対流の変化
 バレンツ海の海氷融解
 熱帯サンゴ礁の死滅
 西南極の氷床融解

 

 このような危機的状況に置かれている運命共同体地球の人間界で世界および日本での政治の蛮行・愚行を行っている場合ではないと憂う事柄を挙げる。

 

1.    ロシア・ウクライナ戦争、パレスチナイスラエル戦争をやっている場合か
独裁者プーチンの独断で始まったウクライナ侵攻、ロシア国民がプーチンを大統領権力から降ろし、早々に侵略行為から撤退すべき。
   ハマスの蛮行は、歴史的、宗教的、思想的背景が複雑に絡み合っているため軽々なことはコメントできないが、一般市民を巻き込む戦争行為、虐殺、報復としてのイスラエルの無差別攻撃は許されるものではない。両陣営の人間としての良心に訴えたい。一般市民を巻き込むなと。

 

2.エネルギー供給確保政策の倒錯

(1)原子力発電回帰と再生可能エネルギー普及の周回遅れ


ア.    福島第一の偶然による東日本壊滅回避を全く教訓とせず、あろうことか60年超の稼働も認める政策を強行する愚行。


イ.    原子力発電は順次廃止が地球規模での流れであり、それに逆行する日本はいずれ世界から相手にされなくなる。
ウ.    太陽光、風力、地熱等再生可能エネルギーの開発が全くの周回遅れで暗澹たる思い。技術大国日本はどこにいったのか。


(2)    アルプス処理汚染水海洋放出の愚行


ア.汚染水海洋放出も、デブリに触れた汚染水をアルプスで処理し、希釈して放出している事例は世界にはなく、現在敷地内にある処理済みと強弁している在庫の70%は再処理、再々処理が必要とのこと。トリチウム以外のデータの開示もなく、東電や環境省のサンプルだけでは信用に欠ける。第三者・国の検査・チェックを受け入れる、海洋放出以外の選択肢(巨大プール貯蔵、モルタル固化等)を再度取り入れるなどの施策を行うべき。

 

社会観察雑記帳 -市民感覚の何かおかしい81- 通算投稿126回目 野村農水相の汚染水発言騒動で改めて福島第一原発の汚染水海洋放出の無責任さを問う 2023年9月2日記

野村農相相の汚染水発言騒動で改めて福島第一原発の汚染水海洋放出の無責任さを問う

                               2023年9月2日記

 

 2023年9月1日放送の大竹まことゴールデンラジオに、ジャーナリストの神保哲生氏が出演し、野村農水大臣の汚染水発言、そもそもの海洋放出判断の無責任さに関するコメントが大変当を得たものであった。

 

 曰く、処理水と呼ぶのは経産省記者クラブからの申し合わせだろうが、過去のBSE狂牛病)、通信傍受法(盗聴法)等と違い、市民レベルからの批判があることが怖い。過去のものは、実態は( )内の表現が正確だと分かっていて申し合わせ表現をメディアは使っているが、今回の処理水は世の中全般が処理水表現が正しく、汚染水表現は間違いとの認識が一般化しているのではないか。紛れもなく汚染水なのだが・・・
 また、海洋放出は政府の無作為のたまもの(12年間という期間に処理の選択肢が4つあったのに、それぞれについて何も検討を深めずに、また、50年100年の計を考えた判断をせずに敷地内をタンクで一杯にし、海洋放出が一番安易な方法であるのでそのお墨付きをIAEAからもらい、実行に移した。いわば、判断せず時間経過させた結果の事態が現在である。

 

 共同通信のスクープで、2022年1月段階でタンク内総量の約7割はトリチウム以外の放射性物質が基準以上に残存していることが判明している。これは、浄化装置の不具合や処理量を優先させた処理を行ったことなどが原因であったが、東電や経産省はこのデータを専門家小委員会には提出せず、ALPS処理後のデータのみ提出で海洋放出に誘導している。

 

 海洋放出以外の選択肢としては、大気放出、陸上大型タンク貯蔵、モルタル固化が挙げられているが、大気放出は環境への影響が未知数であることから賛成はしないが、陸上大型タンク貯蔵は、敷地内の7・8号機予定地にドーム型の施設をつくれば約48年分貯蔵できると計算されていること、モルタル固化も同じ敷地で約18年分隔離貯蔵できることから、充分検討を深めるに値する案であろう。
 廃炉事態は40年計画(2023年からは28年後)だが、現時点で40年で廃炉できると考えている専門家は皆無という。今日現在、デブリの抽出が1㌘も行われていない事実、技術革新の見通しなどから50年100年の計が必要なプロジェクトであり、汚染水発生がどれだけ続くのか全く見通しは立っていないのが現実ではないか。
廃炉への技術革新とともに、汚染水処理の技術革新も近未来には実現することを信じ、今は海洋放出ではなく、コストが少々かかろうとも隔離貯蔵の道を選ぶのが50年100年先を考える政治家が取るべき、判断すべきことではないか。

 

 東電は、事故当時メルトダウンを隠していた。また約7割のALPS処理水が基準値超えだった事実も隠していた。このようなところが、モニター結果でいくら安全だといっても信用はできない。政府も同様。約束を破って海洋放出を強行した政府のモニター結果を100%信用しろという方が無理である。海洋放出実施後もトリチウムの値だけ公表し、他の核種の数値は公表していない。

 

(参考)
ALPS処理水
汚染水を多核種除去装置等により、トリチウム以外の放射性物質を環境放出の際の規制基準を満たすまで繰り返し処理した水

汚染水
メルトダウンで溶けて固まった燃料デブリを冷却するためにかけ続けている水
雨水、地下水が原子炉建屋内に侵入し高い濃度の放射性物質を含んだ水

環境省
2022年1月現在の基準値超え処理水は、基準値未満になるまでALPSまたは逆浸透膜装置を使った浄化処理を行う
*いつ、どのくらい処理をしてデータはどうだったのかの公表はしているのか不明

社会観察雑記帳 -市民感覚の何かおかしい80- 地球沸騰化筆頭にグローバル視点の危機感欠如の日本政府を憂う 通算投稿125回目

          地球沸騰化筆頭にグローバル視点の危機感欠如の日本政府を憂う

                                                                                                                                                2023年7月31日

    7月25日(土)のTBS報道特集で、地球の気候変動に関する世界各地の異変のレポートが放送された。
    過去12万年で最も暑い一週間の各地の様子が目を引いたが、深刻なのは永久凍土が溶けだし始めて、元には戻らない臨界点が近いという専門家の見解であった。


*臨界点とは、それを超えるとそのあとでいくら人間が対応しても、地球自然の流れは 止められず、それこそ沸騰化に向けて破滅的な時を歩み出す基準(温度、CO2濃度等)のこと

 

    番組のコメンテーターで東大大学院総合文化研究科准教授の斉藤幸平氏が出演していた。
斉藤氏は、日本政府の従来の成功体験を踏襲した気候変動対策(=経済と環境双方を好循環させる施策、技術革新に注力する構造改革など)では、欧州はじめ世界の意識、施策から周回遅れであり、旧態型資本主義温存の危機感欠如であり、①資本主義からの脱却、②ゼロ成長をベースにした発想の転換、③将来の技術革新に過度に依存せず将来世代のため不都合でも事実を周知、が喫緊に求められると主張していた。

    斉藤公平氏は検索すると「哲学者」ジャンルであるが、著書「人新世の資本論」で著名となった研究者で、彼の主張は危機感が全く感じられない(としかみえない)日本政府、メディア、一般国民すべてが傾聴に値する論だと思う。

 

    環境・エネルギー政策では石炭火力温存(G7で唯一)、原子力発電回帰
    食料確保では体系的計画的食料安全保障政策なし
    技術革新に期待するといいながら研究開発に注ぐ予算は世界比較で極めて低位
    マイナカード問題で明白となったデジタル化遅れの実態
   ちっとも異次元でない陳腐な人口減少抑止政策
   予算の使い方(防衛費倍増より、環境対策、食料安全保障、技術革新予算に金を使うべき)がピント外れ

    挙げればきりのない岸田政権の体たらくぶりだが、小泉、安倍、菅(安倍氏の前に1年ずつの総理は居たが)と続いた新自由主義信奉の自民党政権が多くの国民から信頼、信用されていないことが日本の悲劇である。

    参政権を持つ国民も、しがらみによる投票行動が自民党をゆで蛙のままにしているし、メディアも、歴代政権から籠絡させられ本来の監視機能、世論喚起機能を失しているし、政府だけが悪いわけではない。


    しかし、この閉塞感を打破するには自民党議席を大幅に減少させ、緊張感・責任感ある政治体制を再構築しなければならないし、そのための行動を国民ひとりひとりが起こすことが必要かつ重要であろう。

    冒頭の報道特集のもう一人のコメンテーターは東大未来ビジョン研究所江守正多教授であったが、彼が紹介したのが、「欧州では環境問題に対する政府政策に反対する勢力の実行動がしっかり行われ、かつ、メディアも報道する、そのことが国民全体に知れ渡り国民的議論、コンセンサスが形成されている」ということ。

 

    日本国民はおとなしすぎる。新しい戦前としてはならない。