社会観察雑記帳 -この本この一節(プラス一節計二節)⑯-  通算投稿129回目 「安倍晋三の正体」適菜収著 祥伝社新書

                             「安倍晋三の正体」適菜収著                      祥伝社新書

                                                                                                                2023年10月26日記

 

 10月に入ってユーチューブ(番組名忘却)でこの本の存在を知った。
 歴代最長の政権を維持した人物が、如何に無能・無知・無恥で日本を壊したかを、事実を列挙して検証していると絶賛していたので購入し通読してみたが、記憶がよみがえってきた事実が如何に嘘とデマで塗り固められ、そのことにより日本の国家や社会が破壊されてきたかが記述されていた。(バカの多用で少々品はない表現もあるが…)

 

 改めて、このような無能・無知・無恥な人物が何故総理大臣になり歴代最長政権を担うことができたのか、そして、それを許した私たち国民のなんと罪深いことかを痛感した次第である。
*安倍後の菅・岸田と続く現在も罪深さは継続している

 

 全体で新書版165ページとすぐ通読できる分量なので、是非一読し、改めて安倍政権時代から続く自公政権の愚かさ、国家破壊の恐ろしさ、現在も同じ過ちが繰り返されていることの焦燥感を共有していただきたい。
 
 安倍元総理は凶弾に斃れた最期を迎え、そのこと自体は許されることではない。
 この一節プラス一節は、第1章の26ページ記述の死者に鞭打たない論の不合理さと第10章の150ページ記述の憲法改正の必要性に言及した部分を掲げるが、全体を通して、今後に生かすべき検証、事実が満載なので、文末に本書の構成順に私が感じる特記事項も列挙している。

 

この一節
第1章    安倍晋三とは何だったのか? の26ページ
 「死んだら仏。死者を批評しないのは日本人の美徳」とか言いだすバカもいたが、それは美徳ではなく悪徳である。国家存続の根幹に関わる問題を「死んだら終了」にしていいわけがない。まともな検証もせずに、ワイドショーの話題のようにニュースを消費するだけでは何度も同じところで間違える。

 

この一節プラス一節
第10章 憲法破壊 の150ページ
 2016年2月3日、国会で憲法改正の必要性に言及
 「占領時代に作られ、時代にそぐわないもの」「私たちの手で変えていくべきだとの考えのもとで、自民党憲法改正草案を発表した」
 憲法は「今の時代に合わせる」ようなものではない。
 憲法は、安倍のようなおかしな人間が出現した時、国や社会を守るためにあるのだ。

 

本所構成順に私が考える特記事項

第1章    安倍晋三とは何だったのか?
 国家の崩壊を示す三つのメルクマール
 その1 2015年安保法制の際国を運営する手続きを破壊したこと
      集団的自衛権閣議決定し、「憲法解釈の基本的論理はまったく変わっていない」などとデマを流し、内閣法制局長官の首をすげかえ、アメリカで勝手に約束し、国会で強行採決した
  その2 省庁をまたがる大規模な不正が発覚し責任が有耶無耶になっていること
     森友事件の財務省公文書改ざん
     南スーダンPKOにおける防衛省日報隠蔽
     裁量労働制における厚労省データ捏造
     入管法改正に関する法務省データごまかし
     国交省の基幹統計書き換え
  その3 2017年2月8日稲田朋美防衛相が「南スーダンで事実行為としての戦闘行為はあったが、憲法9条上の問題になる言葉は使うべきではないことから(日報で)武力衝突という言葉を使っていると発言したこと
     *現役閣僚が来ぬが憲法を無視していることを公言した

第2章    「外交の安倍」の実体
 ロシアの犬  プーチンに手玉にとられる
 アメリカの犬 トランプのいいなり
 中東に対する無知

第3章    デタラメな経済政策

第4章    幼稚な政治観
 究極の無責任男 「私の責任」と繰り返したが、生涯一度も責任をとることはなかった。
 閣僚の辞任 「任命責任は私にある」
 2006年9月 第1次安倍政権発足
  2006年12月 規制改革担当相 佐田玄一郎 虚偽政治資金収支報告書
  2007年3月  農水相 松岡利勝 議員会館水道光熱費計上
     6月  防衛相 久間章生 原爆投下しようがない発言
     7月  農水相 赤木徳彦 実家に9千万円計上
     9月  農水相 遠藤武彦 補助金不正受給
     同月 政権放り出す

 2012年12月 第2次安倍政権発足
  2014年10月  法相  松島みどり 公選法違反疑い
     10月  経産相 小渕優子  政治資金規正法違反疑い
  2015年2月   農水相 西川公也  政治献金問題
  2016年1月   内閣府特命相 甘利明 金銭授受疑惑
  2017年4月   復興担当相 今村雅弘 東北で良かった発言
     7月    防衛相  稲田朋美  南スーダン日報隠蔽
  2019年4月   五輪相  桜田義孝 東日本大震災被災者傷つけ発言
     10月  法相  河井克行  公選法違反疑い

第5章    嘘・デマの数々
 本書に多々事実列挙

第6章    バカ発言
 本書に多々事実列挙

第7章    安倍晋三関連事件
 広島大規模買収事件
 森友学園事件
 布マスク事件

第8章    カルト・統一教会・反社・維新
 橋本徹との関係・評価

第9章    歴史修正主義
 ポツダム宣言と原爆投下の時系列無知
 皇室への敬意疑問

第10章    憲法破壊
 2014年2月3日国会で発言「憲法というのは、日本という国の形、そして理想と未来を語る者と思う」
*    いつの時代だろうが、憲法は権力を縛るためのもの
*    憲法学において広義の意味「固有の意味の憲法」、狭義の意味「立憲的意味の憲法」は区別される
*    広義の憲法の視点では憲法は国家権力を縛る機能だけではなく、国家の秩序の根本規範つまり国の形(国柄)を表現する規範と捉えられているが、それは伝統による正当性を持った規範であり「理想と未来を語るもの」ではない