この人この名言4 藤井聡教授(京都大学大学院工学研究科)
「農業保護は巨大な国益を生む」 通算投稿140回目
2024年5月11日
2024年5月10日に2012~18年に内閣官房参与も経験した舌鋒鋭い論客藤井聡京都大学大学院工学研究科教授の表題の講演を聴講した。
その講演のなかで、「これは名言」というものを以下に記す。
「世論は権力者によって変えられる」
かつての日本、現在でも多くの文明国では「農業は守るもの」という空気、道徳観。
しかし、小泉構造改革以降(新自由主義跋扈以降)、権力者によってメディアを洗脳し、農業保護は前近代的、不道徳、ダサい空気へと変えた。
*現在、権力を握っているのは
①グローバル企業(GAFA、経団連企業)
②米国(ホワイトハウス、日米合同会議)
③財務省
「農業保護は巨大な国益を生む」
なぜ農業保護が重要かの理論構築 普通の市民が理解できる論旨
1. 食料安全保障のため 有事(災害、国際関係等)に備えた自給率向上
2. 平時での経済成長のため
内需(需要)拡大が経済成長の原動力
食料輸入8兆円を国産農産物使用に切替えるだけで8兆円の内需拡大
食料は安定的需要
3. 農業は地方創生に寄与 伝統・文化の維持・継承に地方の力は大事
G20の中で一極集中1位が日本、成長率最下位も日本
最下位は中国、成長率1位も中国
4. 国土保全のために農業(土地利用型)が不可欠
5. 先進文明他国の農業保護実態(2011年)
政府支出/農業産出額 食料自給率
アメリカ 65% 120%
フランス 44% 120%
イギリス 42% 80%
スイス 62% 50%
日本 27% 38%
農業保護の重要性を世論形成する戦略
1.「心がきれいで頭の良い人」をまず味方につけ、農業の重要性を発信してもらう
2.鼠算方式で見方を増やす(ガチガチの新自由主義者は相手にしない)
3.言論界に農業の重要性を訴えるインフルエンサーを多数確保する
鈴木宣弘氏、三橋貴明氏、堤未果氏など
4.政界でど真ん中でない有力者を味方にする
5.芸能界等でも味方をさがす
地道に勢力拡大をはかる努力を継続することが大事