社会観察雑記帳 この本この一冊 ⑰森永卓郎著「書いてはいけない」 通算141回目

     この本この一冊 ⑰森永卓郎著「書いてはいけない」

                               2024年5月23日記

 

この一節
あとがき P157~158
 略)123便墜落の根本原因をアメリカに口裏を合わせてもらい40年近く隠蔽し続けている日本政府は、ウソをついたという事実に服従せざるを得なくなっているのだと私は考えている。
 略)勇気を持って、この123便の墜落原因を国民の前に明らかにする。これだけで日本は主権を回復する独立国家への道を歩むことができるようになるはずだ。

 

 癌宣告を受けている経済学者森永卓郎氏著の「書いてはいけない」2024年3月初版のあとがきからの一節を今回は選んだ。


この「書いてはいけない」は、(1)ジャニーズの性加害(2)財務省のカルト的財政緊縮主義(3)日本航空123便の墜落事件、の3件について森永氏の取材と主観によって発行された本である。確かに、この3課題とも、これまでメディア(新聞、雑誌、出版、TV等)では公式発表以外の主張は全く明らかになっていなかった。


 ジャニー喜多川の死によって、(1)が社会問題化したのを契機に、森永氏は(2)、(3)とりわけ(3)を世に問いたくて出版した本。
 *しかし、なかなか引き受ける出版社がなく、個人経営的な三五館シンシャがようやく受けてくれ、世に出たとのこと
 *ちなみに、元JALCAの青山透子氏の事実を積み上げた検証本が論文的で一読に値するとしている。

 

 1985年8月のJAL123便墜落は、後方圧力隔壁のボーイング社修理ミスにより制御不能となり、30分間のダッチロール後に群馬県御巣鷹尾根に墜落した事故と公式発表されている。


 ア.しかし、圧力隔壁損失では、一瞬に制御不能・墜落となるはずで、真実は外部からの垂直尾翼一点への衝撃で尾翼が損失したことによるダッチロールとの推測が合理的なこと。


 イ.また、米軍横田基地への緊急着陸ができたにもかかわらず、何かの圧力で着陸叶わなかった点、墜落後米軍ヘリが現場到着しているにもかかわらず、帰還命令が出て基地へ帰還したこと、墜落場所の正式公表が翌朝まで伏せられていたこと、翌日救助隊が現場に入った際、ガソリンとタールを混ぜたような強い異臭が確認されたこと、後日現場からジェット燃料には含まれないベンゼンが検出されたこと。


 ウ.そして何より、墜落事故後、1985年9月のプラザ合意での円高、1986年9月の日米半導体協議、1989年~1990年の日米構造協議と経済問題に関し、アメリカの要求をすべて受け入れる外交となったこと。


 エ.傍証として、もしボーイング社の修理ミスが原因であるならば、以後ボーイング社製航空機の発注は激減するはずだが、むしろボーイング社製航空機調達が増加したこと。

 

 以上のような事実から、この一節にあるように、アメリカの属国化を甘受してまでも日本政府が真実を隠蔽していると森永氏は論じてる。

 事実かどうかは、現在進行中の裁判で要求している、生データでのボイスレコーダを解析すれば判る可能性が大とのことなので、是非生データを明らかにしてほしいものだ。