社会観察雑記帳 -市民感覚の何かおかしい76- 通算投稿120回目 信無き政を問う その1 防衛費、原子力発電所

                  信無き政を問う その1 防衛費、原子力発電所

                                                                                                                  2023年4月27日記

 

 「民信無くば立たず」論語での孔子の教えで安倍晋三も演説で引用しているフレーズ(今でいう「おまゆう」の感はある)。
 *食料と軍備と信頼が政治をすすめる三要素だが、一番重要なのは為政者と民との間の信頼・信用関係だという教えのこと

 

 安倍・菅・岸田と長期間続いている自公政権で、国民からの信は相当失っている現状と私は思っているが、岸田政権になってからの「信無き政」を指摘したい。
 岸田政権および与党自民党は、是非ここに掲げる普通の国民からの疑問、質問に判りやすく答えてもらいたい。

 掲げる項目を一覧化すると
1.    防衛費43兆円への増額の大義
2.    DX化の名のもとに薦める原子力発電所60年超稼働を可能とする根拠
3.    少子化対策の実効性
4.    統一教会解散請求実行の本気度
5.    総務省保存の放送法解釈変更経過文書から政権として軌道修正しない根拠
6.    予備費、政府基金活用手法の踏襲の大義・根拠
7.食料安全保障政策が無きに等しい
 その1として、1~2の2項目について以下に記述する

 

1.    防衛費43兆円への増額の大義

 

    2022年12月末に閣議決定した安保三文書を金科玉条のごとく掲げ、日本を取り巻く安全保障環境が厳しいとの理屈で反撃能力保持、アメリカからの調達含めた攻撃兵器の爆買い・爆開発整備、5年間で43兆円予算の既定化とその財源の不透明性など疑問点が目白押しにもかかわらず、政権から国民への丁寧な説明が一切ないといっても過言ではない。
 まさに日本の将来存立危機に関する政策の大転換にもかかわらず、こんな政権姿勢で良いのか。
 そもそも、安全保障環境の厳しさの具体的中身を分かりやすく説明しているか。
 想定国は中国、ロシア、北朝鮮であろうが、公式には北朝鮮以外は表明しておらず、どの程度差し迫った脅威なのか一国民としてはさっぱり分からない。


中国:
   南シナ海に拠点設置、台湾統合の動きがあり、世界における覇権、プレゼンスを拡大強化している動きはあるが、専守防衛憲法上国是としている日本に軍事行動を仕掛けてくる見通し・分析をしているのか。また、同盟国アメリカ等との関係で集団的自衛権行使のケース想定をしているのか。
   さらに、仮に中国本土を反撃能力行使の想定をしている場合、彼我の戦力分析をしているのか、中国軍軍備の情報収集をどのレベルでできているのか。

 

ロシア:
   ウクライナ侵攻は現実だが、日本へ武力行使するケース、想定をしているのか。北方四島返還との関係で緊張関係が高まる分析をしているのか。

 

北朝鮮
   金正日が暴走する場合、日本を武力攻撃するケースをどの程度想定・分析しているのか。

 

   なお、中国・ロシア・北朝鮮との関係で、相手が武力行使に至らないように外交努力をすることは当然であるが、そのチャンネル、手法、体制等の想定・準備・実施をしているのか。

 

   自公政権・与党は着々と閣議決定に沿って防衛力強化をすすめるつもりであろうが、安倍晋三がトランプから買った超割高なアメリカ製兵器・武器、システム等への合理的整合性の説明、財源として予算剰余金、基金剰余金等を充てることの妥当性、南西諸島拠点整備との裏腹の関係の有事の際の住民非難システムの妥当性、原子力発電所への攻撃をどう防御するのかなどなど、43兆円の妥当性や三文書には掲げられていない事項への対応にしっかり答えてほしい。
 
2.    DX化の名のもとに薦める原子力発電所60年超稼働を可能とする根拠

 

   2023年4月26日衆議院経産委員会で自公維新国民の各党賛成で可決された。
   しかし、そもそも40年耐久、最大でも60年までとして建設された原子炉を60年超まで稼働可能とする根拠がわからない。


   専門家会議では4対1の賛成多数で認めたようだが、賛成委員からもsy毛ジュールありきの感が表明されたり、NHK報道では耐久劣化判断基準がそもそもないし、具体的測定手段もなし、また、旧設計の限界があるのかどうかも不明とのこと。
   さらに、住民非難システムをはじめとする有事の際の危機管理システムの国民に対する納得いく説明=東日本大震災で経験している福島の事例をもってしても納得できる根拠を示すことをしなければならない。
 
 その2に続く