社会観察雑記帳 ―市民感覚の何かおかしい㊵― 日本学術会議新会員任命拒否を断固許すまじ  通算投稿68回目 2020年10月29日

               日本学術会議新会員任命拒否を断固許すまじ  通算投稿68回目

                                                                                                                                      2020年10月29日記す

  10月26日から臨時国会が始まったが、代表質問時点では想定通り菅総理は逃げとすりかえの答弁に終始している。
  今国会で明らかにすべきは、次の3点。
1.6名の任命拒否の合理的説明と判断できる理由
2.総理大臣が任命拒否できるとする合理的根拠
3.定員割れの違法状態を解消するため政府としてどう対応するのか

 

  普通の教育を受けた日本国民は、ア.日本学術会議法では推薦と任命がセットであること、イ.法改正時の国会質疑・政府文書(1983年、2004年)での法律の確定解釈で総理大臣の任命は形式的ということを今回政権が犯していること、ウ.解釈変更はしていないと強弁している根拠の2018年法制局確認の正当性・妥当性が怪しいこと、エ.総理大臣に任命権がある根拠として挙げている憲法15条は、国会で対応法律を制定しその法律に基づいて執行することを指すにもかかわらず、総理大臣の判断で任免ができると強弁していること、が民主主義社会で通用しないことは自明のことと看過している。

 

  さらに、名簿を見ていないといいながら大学、地域の偏りがあることなどから判断したなどと矛盾する公式発言を続けることを許してはならない。

 

  ニーメラー神父が自戒の念で発表しているナチス政権が台頭するドイツでの市民の沈黙を、現代の日本で再現されてしまうと、戦後営々と築いてきた自由主義、民主主義社会の基盤が崩れていってしまうとの危機感を持つ必要がある。下手をすると、時の政府の独裁を許すことに、言論、思想信条、教育、学問の自由がなし崩しに制限されてしまう社会となってしまうことになる。

 

  代表質問への答弁は、質問者が質問内容を変えても菅総理はワンパターンの答弁書棒読みで全く合理性ある説明となっていない。
  野党は衆参で、また政党間で連携し、いかに非論理的なワンパターン答弁であるか、質問に正面から答えずにすり替えを行っているか、を浮き彫りにする発言を残し、答弁の不当性、非合理性を明らかにして次週の予算委員会等へつなげる努力をしてほしい。