社会観察雑記帳-市民感覚の何かおかしい㉞-危機感欠如の政府政策とそれを追い詰められないもどかしい野党 通算投稿62回目

    -市民感覚の何かおかしい㉞-        通算投稿62回目

  危機感欠如の政府政策とそれを追い詰められないもどかしい野党

                              2020年7月30日記す

 

 国会閉会中に危機感皆無の政府の愚策が連発されている。(GoToトラベル、アベノマスク、新型コロナ禍対応等)

 閉会中審査の委員会も週1回3時間だけで、まさに国の危機を不作為によって増長させている政府を許す結果となっている。

 この稿では、7月28日の持続化給付金・GoToトラベルに関する野党合同ヒアリングをユーチューブ視聴して特に気になった3点に限って記述したい。

 

 1.持続化給付金の事務委託履行体制の63社が未だ公表されないことについて

 経産省中小企業庁担当者は、28日も各社との同意調整未了につき公表できないと回答している。63社と国会で答弁してはや1カ月になろうとしているにもかかわらず、補助金受託事業なので公表が基本としているにもかかわらず同意調整中というのは、中企庁は野党ヒアリングでは公表しないと意思表明していること。(63社の意思確認がいまだ進行中ということはありえない)

 政府のまったく不誠実な態度は今に始まったことではないが、国民を馬鹿にしすぎている。

 それに対し野党側も追及がぬるすぎる。「何社まで確認とれたのか」「誰がどのような手段で確認しているのか」「他のビジネスへの影響とは具体的にどんな事例か」など、さら問でつめていくべきところを、時間がないためか、追及調のヒアリングにしないためか、極めて不完全燃焼で毎回終わっている。

 

2.GoToトラベルの変更決裁が国交省観光庁でなされていないことについて

 8月から7月22日開始への前倒し、東京都除外、東京都民のキャンセル料負担の3点の変更事項について、28日現在で本省でも観光庁内でも決裁がなされていない観光庁担当者が認めている。

 これでは、誰の責任でどのような理由・経緯で前倒し、東京除外等が決定したのかの根拠がまったく残らないことになる。

 この点に関して決裁されていないことを明らかにした野党ヒアリングは評価するが、「なぜ事前決裁していないのか」「決裁ないことを異常と誰も思わなかったのか」「政務三役は決裁不存在を知っているのか」などなど、さら問がいくらでも出てくるが、これも中途半端でヒアリングが終わっている。

3.GoToトラベルの事務委託の体制履行図未公表およびずさんな参加申請事業者審査体制について

 持続化給付金のサービスデザイン推進協議会でさえ、当初の体制履行図は提示公表したが、観光庁はそれさえ未だ公表しない。そもそも赤羽大臣が透明性確保に努めるとしていたことと齟齬あり。

 また、27日から参加事業体申請受付開始で28日時点で12,000社を参加登録したとのことだが、感染防止対策徹底については自己申告欄チェックの有無を審査しただけ、審査も受託団体が新規雇用した者が書類審査しただけとの実態が明らかになった。

 政府の対応もまったくお粗末な状態で準備不足なまま本番突入したあたふたぶりがわかる対応である。

 野党も28日ヒアリングでは時間がなくさら問で詰めることもできなかった。

 

【まとめ】

 原口議員が他省庁職員から聞いたこととして、「野党ヒアリングでははぐらかし対応をして時間をつぶせばよい、時間つぶし以外の対応では省内での評価が落ち将来への原点になる」との発言があった。

 桜、黒川問題、検察庁法、コロナ禍、今回の持続化やGoToをみていると、政府対応はまさに原口議員が聞いた対応そのものである。

 そもそも、ヒアリングに対応する担当者が役職も低く、責任をもって発言できる者でないことも問題である。

 また、数年前の追及調ヒアリングがネットでバッシングキャンペーンにあったことがトラウマで、現在は声を荒げることもなく極めておとなしいやり取りとなっているし、どのような事前合意があるか計り知れないが時間もおおむね時間となっていて、大体守られた運営となっている。

 政府出席者はそのことに乗じて時間つぶしに精進しているとしか思えないが、野党側もせめて時間を増やすとか、テーマを絞ってさら問型で論理矛盾に追い込むとか、工夫をしてほしい。

 野党出席議員間の役割分担も必要で、各自がばらばらに発言していてはそれこそ時間つぶしに手を貸すだけとなる。

 折角、野党合同ヒアリングという良い慣行を続けているのだから、野党側も戦略的に政府を問い詰めてほしい。猛省をすべきだ。