社会観察雑記帳 -市民感覚の何かおかしい61- 2021年年末に日本社会の劣化を嘆く 通算投稿97回目

     2021年年末に日本社会の劣化を嘆く

社会観察雑記帳  —市民感覚の何かおかしい61—        通算97回目投稿
                               2021年12月26日

 2021年9月の菅首相が退陣し岸田首相となったが、10月31日衆議院総選挙で安定過半数を自公で維持し、加えて立民・共産議席減、維新議席増の状況となり、期待した与野党伯仲によるこの10年間の失政を正し日本社会を活性化する政策論争活発化が不発に終わった秋だった。


 国会論戦も低調だったが、それより新聞・TV大手メディアの政権追及の感度が鈍すぎて、政府・自公与党、メディア三者がタッグを組んで日本国民を食い物にし、「今だけ、金だけ、自分だけ」をさらに実践している感が強い。

 

市民感覚でこの年の瀬に感じる日本社会の不条理】
1.    国会は、自公与党が6月強行閉会して実質12月中旬まで開かれず、この間の立法、政策立案議論ができなかった責任を誰も撮らないし、追及も弱いし、世論も怒っていない。コロナ弱者対策が遅れたのはまさに国会が開かれていないことが最大の原因。


2.    防衛予算について、その無駄(防衛省は不要とするも安倍晋三の横やりでアメリカから購入する旧式武器、防衛省そのものの杜撰な見積など)、本予算と補正予算を使い分けた少なく見せる姑息な手法をもっと追及すべきだが、野党もメディアも国民に訴える形で表舞台に出していない。


3.    関連して、沖縄の辺野古基地建設の矛盾が国民的議論にならないもどかしさがある。ましてや国(防衛省)が国民行政不服審査法を使って沖縄県の計画変更不承認を覆そうとする不条理を、メディアは全く追及しない。


4.    直近で明らかになった国土交通省の統計改ざんについてもメディアは「書き換え」表現で弱めているし、政府追及が手ぬるい。野党も政府の第三者委員会待ちの姿勢は弱腰すぎ。


5.    安倍・菅時代の政府権力の不正を正す(政府)・質す(野党・メディア)姿勢が見えない。
    森・加計・さくら
    赤木裁判の「認諾」判断根拠
    河井夫妻への1.5億円供与理由、安倍元首相の関与
    日本学術会議任命拒否問題の決着
    ウィシュマさん死亡事案の原因と責任
    日大理事長逮捕案件への安倍元首相の関与
    国交省統計改ざん開始判断理由と責任


 コロナ対策での厚労省の不作為、経産省等での助成金不正受給チェック不十分など、政府の失敗案件はまだまだあるが、少なくとも上に掲げた不正案件は、メディアは最大限の資源を投入して真相解明、政府・与党追及をしてしかるべきではないか。そして、その姿勢・姿を国民に見せてほしい。

 

 この年末に感じているような野党・メディアの状況は、翼賛的で、戦前の大陸侵略、世界大戦へ突き進んでいった社会と似てきていると思っているのは私だけではないだろう。こうした思いを受け止め、大きな勢力とするにはどうしたらよいのだろうか。