年金生活に入った普通の市民感覚の吐露(時事)-そもそもこれでいいの⑮- 「桜を見る会」モラルハザード考 通算投稿30回目

  -そもそもこれでいいの⑮- 「桜を見る会モラルハザード考 
                          通算投稿30回目

                             2019年11月17日記す

 

 11月8日参議院予算委員会共産党田村智子議員の総理主催「桜を見る会」に関する数々の疑惑に絞った質疑以降、予想以上にメディアも取り上げ、野党も一枚岩で真相究明に乗り出し、政府は来年の同会は中止すると発表するまでの事態に発展しました。(前回は「観る」と表記しましたが、メディアも「見る」を使用しているので今回は「見る」にします)

 

 この問題は、政府の公式行事にも関わらず、開催要項と参加者のミスマッチ、予算と執行金額のミスマッチ、安倍首相はじめ政権幹部、自民党与党議員後援会会員参加の不明確な根拠、そして検証段階での内閣府の文書(名簿等)破棄という嘘、まさに安倍首相を筆頭に現政権、官僚のモラルハザードここに極まれり状態の露呈といえます。

 数々あるモラルハザードの中で、本稿では安倍首相後援会会員がここ数年400~850名という規模で大量参加に関する件を普通の市民感覚で意見表明します。

 

 一番素直な疑問は、安倍後援会が募集し、東京観光、前夜祭込みのツアーを組んで「見る会」参加をしていることは、誰が見ても後援会主催の講演会活動=政治資金規正法でいう政治団体の政治活動にも関わらず、ツアーは旅行代理店、前夜祭はホテルへ参加者が直接支払っているため、後援会に収支が発生せず収支報告書記載不要という論理です。
 ツアーは安倍事務所が募集し、参加者名簿を作成していること、前夜祭もホテルとの窓口は旅行代理店という名目で、安倍事務所が関与していることは明らかです。特に、一人5千円のホテル名義の領収書と引換に会費を安倍事務所職員が収受している訳ですから、安倍事務所が無関係という論理は通じないというのが常識です。

 

 ひら議員ではなく、総理大臣を務めている事務所が政治資金規正法の目的、基本理念を無視し、外形的に金銭の収受、支出を発生させていないから記載不要という論理を振りかざすこと自体、一国のリーダーのやることかと耳を疑います。組織のトップは率先して法の精神を遵守する義務があるはずです。

 

政治資金規正法(本稿末尾に一条、二条、四条の抜粋記載)第二条2項には、「政治資金の収受にあたっては、いやしくも国民の疑惑を招くことがないように、この法律に基づいて公明正大に行わなければならない」とあり、総理大臣がこれに抵触しているのでは、と疑われる行動を長年にわたり行ってきたことが露呈したことに驚くばかりです。

 安倍総理は、疑惑の説明責任は議員本人にあると言っているのですから、是非、後援会主催の桜を見る会参加ツアー(2014~2019年)の実態(参加者数、参加者負担と旅行代理店、ホテルの経費で収支ゼロの証明)を国会で行ってください。

 

 ニューオータニもいい迷惑だと思いますが、なぜ領収書を安倍事務所職員に委託できるのか、毎年参加者数が不確定のなか会費5千円で収支均衡できる理由はなにか、夕食パーティーを受託する本来の段取りとここ3年の安倍後援会主催の前夜祭との違いはあるにかないのか、等々エビデンスも示しながら説明することが、今後のホテルとしての信用確保の継続につながることになるのでしょう。

 

 この問題、もう一つ国会の場で嘘を堂々と答弁する政府参考人内閣府官房長)にもびっくりです。
 2019年開催に関する文書(推薦依頼文書、参加者名簿等々)が5月9日に廃棄したというのです。私の現役時代の経験からしても、国の官庁が前例を廃棄することはありえません。「出せません」で押し通すのではなく、「捨てたから答えられない」という嘘が公式議事録で後世に残る(まかり通る)この国の国会質疑は異常です。モリカケの悪弊を本件でも踏襲することを許しては、それこそ官僚志望の有為な人材は出てきません。逆に、国会のような場で嘘を答弁したら社会人官僚としての未来が無くなるくらいの処置をしていくべきでしょう。

 

政治資金規正法
第一条(目的)抜粋
 政治団体により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体に係る政治資金の収支の公開、政治資金の授受の規正を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発展に寄与する
第二条(基本理念)抜粋
 政治資金が国民の浄財であることかんがみ、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民にゆだね、適切に運用されなければならない
 2.政治資金の授受に当たっては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行わなければならない。
第四条
 この法律において「収入」とは金銭、物品その他の財産上の利益の収受
2.この法律において「党費又は会費」とは、規約そのたこれらに相当するものに基づく金銭上の債務の履行として政治団体の構成員が負担するもの
5.この法律において「支出」とは、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付