社会観察雑記帳 ー市民感覚の何かおかしい㉗ーこの国は安倍晋三で大丈夫か (通算52回目)

市民感覚の何かおかしい㉗ー

           この国は安倍晋三で大丈夫か

                               2020年4月29日記

 

新型コロナウィルス感染症対策の補正予算審議の衆議院予算委員会が4月28日ようやくはじまった。
 野党共同会派の枝野幸男大串博志両名の質疑における安倍首相、加藤厚労大臣の答弁・対応をTVで見て、安倍首相たちにこの国の危機の舵取りを任せてはいけないということが、改めてはっきりした。

 

 まず、枝野質問でのやりとりから
枝野)PCR検査の目詰まりの主因は37.5度4日間というメッセージが基準となっていることであり、市中感染拡大の現局面ではいい加減基準を修正するべき。
加藤)当初は保健所対応がまずいところもあったので、柔軟に対応するよう何度も周知を行っている。医師が必要と判断したものは検査が受けられる。
安倍)保険適用、軽症者のホテル療養など、ひとつひとつ障害を取り除いているつもりで、検査能力のアップも行っている。
枝野)2月の予算委員会でも同じ説明をしている。現場の声を真摯に聞け。

 

枝野)今回の国難克服に対する政府としての基本姿勢=哲学は、国民の命と健康を守ることに対する国民の負担をその負担能力に応じて皆で分かち合うということ。政府としては経済的に苦しい立場の弱い層に手厚く対応していくということ。この哲学を明確にすることをどう思うか。
安倍)国民の命と健康を守るだけでなく、経済活動制限で苦しい立場にある方々にも対応しなければならない。困難に直面している方々にしっかり対応する。

 

 ここでわかることは、政府は当初方針・基本態度の過ちは絶対に認めず、自分たちが行ったことを言葉巧みに説明し、質疑を切り抜けようとしていること。PCR検査のやりとりは、そうとしか思えない。
 哲学に関しては、質問に正面から答えない。言葉上はきれいごとを述べるが、それが聞き手の心に響かない。

 

 次に大串質問でのやりとり
大串議員が、「4月頭に発表したアベノマスク(世帯に2組、466億円予算)を判断した経過は」との質問に対し、
安倍首相は、諸外国の事例等、ユニ・チャーム社長のコメント等を紹介し、最後に布マスク配布は有効と考えたと答弁。この間、時間をとり長々と説明したため、大串議員も4月判断の経緯を聞いているとか、時間延ばしはやめてとか質問席で立って発言。総理も野次に対し発言を中止し、さらに時間を食う。
次に、大串議員が「時間つぶしはやめてほしいとの発言をしつつ、いつまでに配布できるか」と質問したところ、
安倍首相は、予算を使うから諸外国事例も含め丁寧に判断経過を説明するのは当然と、大串議員の発言に反応し、反論的発言を行った後に今いつまでに配布できるか言える状況にないと答弁。

 

 ここでは、質問者の非難するような対応にいちいち反応し、自分の正当性を過剰に押し出す一国の首相とは思えない醜態を、TVを通じ発信されていることに、本人は気づいていない。

 

 安倍首相はモリカケ、桜、検事長勤務延長などの不正、加藤大臣も働き方改革でのデータ偽装不正などで、過ちをなかなか認めない、言い訳としか思えない論理を保持する、質問に正面から答えないということがあった。安倍首相はさらに、自身への批判には過剰反応し、狭量さを露呈する場面の過去には散見されている。

 新型コロナウィルス感染症危機に際し、こんな人物が国のリーダーとして危機克服の舵取りをしていくことで大丈夫なのだろうか。
 大丈夫ではない。