年金生活に入った普通の市民感覚の吐露(時事)ーそもそもこれでいいのー⑨日韓泥沼化 通算投稿21回目

      そもそもこれでいいの -⑨日韓反発泥沼化-

 

                              2019年8月13日記

 日韓両政府の反発が激化している。連日、報道が過熱している印象が強い。とくに、韓国国内での文大統領の発言と社会での反安倍行動(デモ、不買運動等)の報道が目に付く。

 これは、7月4日に「フッ化水素」「フッ化ポリイミド」「レジスト」の3品目の輸出優遇手続きを取りやめ、契約ごと審査に切り替えるとした日本政府(経産省)の発表に端を発している。世耕経産大臣は、その理由の第一にこれまでの韓国政府の不誠実な対応を上げ、次に手続きの手ぬるさ、安全保障上の不適切事例懸念を上げている。
韓国政府は、徴用工問題という司法判断の問題を貿易問題で報復措置をとってきたと猛反発した形だ。


*徴用工問題
 韓国での徴用工賠償訴訟で大法院が2018年10月30日に4人の原告に対し日本製鉄に損害賠償を命じたことに対し、日本政府は1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場から、韓国政府が司法との関係は解決すべきとしたが、韓国政府は司法判断は尊重せざるを得ないとして、何ら動かなかった=日韓請求権協定第3条に基づき外交による努力、第3者委員会設置による裁定への日本側の働きかけに韓国政府は一切応じなかったことに端を発している。

 

 日本政府は、後になって韓国に関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生したことから、純粋に輸出管理の在り方の問題と主張しているが、最初にこれまでの韓国政府の不誠実な対応を理由にあげており、徴用工問題やレーダー照射問題など、ここ1年間に起きた日韓間の軋轢に対する文政権の対応への対抗措置とみられても仕方ないし、その見方のほうが妥当である。

 

 韓国側の動きへのコメントは内政干渉でもあり避けるが、日本政府の対応に関して普通の市民感覚での意見を記す。

 

1. 安倍首相、菅官房長官などは、「日韓の信頼関係が著しく損なわれており、信頼関係のもとでの輸出管理に取り組むことは困難」と「韓国に関連する輸出管理をめぐり不適切な事案が発生した」を輸出手続き規制強化の理由に挙げている。


2. ただ、信頼関係が損なわれている具体的例示と不適切な事案の具体的例示は「明らかにするのは適切ではない」との理由のみで私たち国民には公式には示されていない。

 
3. これでは、日本国内での説得力に欠ける。表現の仕方は工夫する必要はあるかもしれないが、具体的な例示による説明があって初めて政府の見解が納得できるものと判断できよう。(何せ政府は嘘をつく局面が多い現実がある)


4. レーダー照射問題の時の日本側からの音声の公開のように、説得力ある説明がほしい。ちまたでは、レーダー照射、徴用工問題に対する文政権の対応が国際条約・信義違反であること、「フッ化水素」が一部迂回して北朝鮮に流れたことなどが報道されているが、明確に説明できなくても今の説明レベルでは、日本政府の説明が真実と素直に判断できないのも事実である。


5. そして、なにより大切なのは、識者が等しく言っているように両国関係が泥沼化してほくそ笑む勢力を喜ばせてはいけないということ。どうも、日本の官邸VS韓国の大統領府の構図でエスカレートしているように見えるが、安倍首相、文大統領両名のトップが同じテーブルにつき、両国関係をどうするのかを虚心坦懐に会談することを早急に実現すべきではないか。その提案を安倍首相(日本側)がすれば、大人の対応として評価されるし、私も評価する。